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選評
一九九六年も押し迫った師走、五、三〇〇余句の「活気」が届きました。
「活気」という題を頂きましたが、好きな題です。五、三〇〇句もあれば、同想・類想のあるのは当然ですが、あまりにも多いのに驚きました、大漁・せり・朝市・村おこし等々です。
新しい命がお腹蹴っている
クラス会昔の活気なつかしい
は、一字一句違わないのが二句ありました、。
魚群探知海の男の血がたぎる
魚群探知海の男の血がさわぐ
魚群発見海の男が燃えている
探知機の魚影へ舳先波を蹴る
のような例は、幾つあったかわかりません、「血がたぎる」を入選としました、同想句でもその中の秀れたものを選び出すべきだと思います。
新しいいのちが百の灯をともす
新しい命は「活気」そのものです。これほど尊く、これほど明るいものはありません、素晴らしい「活気」は、多くの希望の灯をともすことでしょう。
いきのいい友を活力剤にする
活気あふれる友人ほどいいものはありません、。病のとき、不況の時は申すに及ばず、何時でも活きいきとした力を与えてくれます。大いにその活力に当りましょう。
ひと粒の種に無限の神宿る
一粒の種の活気に着目し、その感動を伝えようとする作者に敬服致しました。スケールの大きい句です。
いい句に出会えたことを喜んでいます。
梶川雄次郎

 

 

 

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